今回の芸術祭の中でも大島は、深い存在だ。
高松から高速船で20分程度の大島は、国によってハンセン病患者が強制隔離させられた島だ。風邪より弱い感染力のこのウィルスに不運にも感染された方々は、故郷から引き剥がされ、ここに連れてこられた。
その故郷でも、尋常でない差別を受けている。では、ここに連れてこられることは幸せだったのか??いや、ここでの生活も当時はかなり悲惨であったと語られている。人の人生とは一体何なのかを改めて考えさせれる。
ハンセン病は、今は早期発見早期治療でまったく問題ない病になった。法律も廃止され、裁判でも国の責任が認められた。この島に残っているのは、重度の後遺症の方やすでに故郷を捨てた方々の様だ。多くの方がすでに高齢で、写真に写る仏塔には多くの方がこの島で眠っている。
見学途中で、比較的軽度の後遺症の方々が自立して生活している長屋の様な住居を見た。整然と並んでいるが、何か所か更地になっている。住む方がいなくなった棟は、撤去されるようだ。
新たな患者が生まれない以上、この島から生活の火はいつか消えてしまうのだろう。そのことがとてもイケナイことの様に思えて、島にいる間ずっと胸がつかえてた。
四国新聞の記事に載っていた女性の言葉で、この日記をしめる。
「ハンセンがなくなるのもそう先ではないと思うわ。後が出んからな。こういう病気がおったということ、つらい歴史、悲しい歴史があったということを若い人に知ってほしいわな」
僕たちの心はあまりに弱い。この方々の歴史を無駄にしてはならないと思う。
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